FEEL J Style Blog
2024/07/18 06:00
大変希少な、輪島産の漆(ウルシ)の木材で制作した菱形盆とお皿をご紹介します。
漆の木はとても軽くて柔らかく、手触りは桐に似ています。色が黄色いことも特徴の一つです。こちらのお盆は、この色味を活かすため、漆を塗らず、木の風合いがそのまま楽しめて、水分や油分を滲みにくくする効果があるガラス塗料で仕上げました。
輪島は、全国随一の漆器産地ですが、原料である漆液はほとんど採れません。漆掻き(漆の採取)をするためのウルシの木がとても少ないのです。数年前に、輪島にわずかに残る希少な木で漆掻きをしました。その後、脇から生えてくる若いヒコバエ(新しい芽)を元気に育てるために、その木は伐採されました。ウルシの木はあまり木工に向かないので通常は使われないのですが、このときは伐採後の木も活かしてものづくりが行われました。
今回ご紹介する菱形のお盆とお皿は、このときに輪島キリモトさんが、製作した物です。漆器づくりを支える漆の木の命が、素敵な木皿となって再び生かされ、今年元旦の震災をも乗り越えてくれました。
期間限定になりますが、こちらでご紹介いたします。
なお、7月19日(金)-20日(土)は、ショールーム『漆文化醸造LAB』のオープンDAYを開催します。こちらでもご覧いただけますので、お越しの際はぜひお手に取って、その軽さや木の柔らかさを体感してみてください。